まだ小さな身体の彼を
見かけたのは二日前の夕方。
窓を開けると隠れながらも彼はそこに居た。
網戸越しに話しかけてみる
そろりそろり、小さな身体で
この世界を生きる彼を見て元気をもらった。
チラリと顔を覗かせた彼の写真を
一枚だけパシャリと携帯で撮った。
それから二日間外出していて、
彼のことなどすっかり頭のなかから薄れていた
家に帰ってくると丁度わたしの部屋の
玄関前で彼は何者かに踏みつぶされていた
オートロックのこの共有スペースに
何故彼はスルリと入り込んだのだろう
小さな身体で彼は確かに生きていた
まだまだこれから大きくなるはずだった
夜、花をそえて彼を地に埋めてあげた
偶然の出会いと小さな身体と
生きるひかりと突然の死と
全てが嘘に見えてしまう東京の明かりと