アンドロメダの気流に乗って

餡の香り

 

昨夜、再び小さな男の子の夢を見た。

一緒に遊んでいたのに、

男の子の姿が思い出せなくなり

声しか聞こえなくなって私はいつの間にか

その小さな男の子の仏壇の前に座っていた。

そこにはお供え物のお菓子が

目の前にたくさん置いてあり

私の右隣にはその子の母親が座っていて

どこからか姿の見えぬ男の子が、

『お菓子を選んではんぶんこして』との声に

私は左隣に置いてある和菓子のなかから

小さな餡の入った人形焼のような菓子を選び

その子の母親とはんぶんこし、食べる夢

母親はどこか冷酷で何かを

全て諦めてしまっているような

疲れ切った表情の方だった。

 

夢が覚めてから、悲しみに包まれた

そして餡の入った菓子を食べたくなった

餡はこれといって好きなわけではないが

小さな男の子の夢を辿るとともに

口にしたくなった。

 

『小さな男の子』というワードには

昔から引っかかるものがある。

気のせいだと巡る深い考えを遮りながら

今夜も私は眠りにつく。

 

 

 

私たちは

きっと大丈夫だよ。

 

 

沈んでも息する夢達

 

 

 

 

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