アンドロメダの気流に乗って

万華鏡のなか

 

夕べ暗闇のなか目の前が

万華鏡みたいになって自分が

吸い込まれてゆく幻覚をみた。

目を開けているのにどんどんどんどん

渦のなかに吸い寄せられて

モノクロのキラキラした世界に

黒いゴーストがぐるぐると取り巻いて

怖くなって部屋の明かりをつけると

パッと一面の影は消えた。

 

昨夜は雨が降っていた。

四国から東京に会いに来てくれた人と

ふたりフラフラになるまで飲んだ。

夫婦円満な話や、喧嘩も多いことや

結婚すると相手が家族の

一部にしか見えなくなり

相手のことは好きだけれど

また別の誰かにキュンキュンを

求めてしまうというリアルな話や、

一連の不倫報道の多さの話になった。

左手に輝く結婚指輪が美しい

何度も見せてもらった。

わたしも結婚出来るかなってボソッと呟くと

『よんちゃんは秒で結婚出来るから大丈夫』と

酔ったふたりは笑いながらその後も

積もり積もった話を語り明かした。

前より心が近くなった気がした

 

家に帰ってきて、気持ち悪さが襲った

ワインの飲み過ぎで吐いた

すこし楽になって

うださんの気持ちが分かったような気がした

ふたりはずっと夢の中小説の中にいる

この世に実在するのに会うことのないふたり

ニアミスばかりしながら

わたしは過去を辿ってゆく。

いつの間にかおばあちゃんになって

いつの間にか私の過去を誰かが辿ってゆく

いくつかの果たせなかった約束を抱えて

いつか会える日を待つ

 

 

 

 

 

 

f:id:awanonamida:20181102015409j:image