アンドロメダの気流に乗って

花は誰かの死体に咲く

 

2017.12.15.

昼間から酒を飲んで

銀座のパン屋に並んで

出来たての食パンの紙袋を両手に携え

家に帰って、パンを頬張って、眠って

夕方病院へ行って先生に引越しても

『最低限の家事しかしないでね』って言われて

『料理なんてもってのほか』って言われて

『SOSもちゃんと出さなきゃだめだよ』って言われて

それから、それから

 

イチョウの葉がたくさん道端で散らばっていて

ホウキで掻き寄せられてごみ袋に詰められていた

秋が終わり冬になる。

年が明けて冬の終わりが一気に近づく

 

全部が複雑で全部から目を背けたくなる

 

今日も生きた。

胃が痛くて風が冷たくて真っ赤なワンピースが

刃のように色彩をあげてビルとビルの隙間から

見える綺麗にぼやけた夕空を眺めながら

その一瞬の景色を裂くように

コツコツとブーツの音を鳴らしながら

イヤフォンで耳を塞いで背を向け歩いてゆく帰り道。

 

 

pm 21:22 おやすみなさい

 

 

総武線沿いに住む最後の夜より

 

 

 

 

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